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※TOASSについて※
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突発短編。 ...20090131 * 未分類

懲りずこのジャンル。続くかどうかはわかりません。ちなみに二次創作ですらありません。


いつも通り生活していただけでした。
いつも通り眠りから覚めて、いつも通り朝食を取り、いつも通り出勤しようとしました。
車に乗ってエンジンをかけようとした時、瞬きをしたのです。勿論何の気負いもなく、無意識の内の瞬きでした。
眼を開けた時、私はもう車の中にはいませんでした。消毒液の臭いがする白い部屋で、私は骨組みまで白いベットに寝かされていたのです。
持っていたはずの車の鍵もいつの間にかどこかへ消え、その代わり私が掴んでいたのは白い掛け布団でした。
見下ろした私の手は、静かに私の体の異常を主張していました。私の手は、…いいえ、手だけではなく、足も胴も顔も、全てが幼児のそれに変わっていたのです。
私は看護師さんが来てくれるまで獣のような声で泣き叫び続けていたのだと、私の母を名乗る女性から後日聞きました。残念ながら、私には全く身に覚えがありません。
その後私はいつの間にか眠っていて、次起きた時には腕には点滴が固定され、傍らには私よりも幾分か年上の女性が泣きながら座っていました。知らない人でした。
枕元で嗚咽を漏らされるのが酷く不快で、私は彼女に背を向けようとしましたが、その動きで私の覚醒が彼女に知られてしまいました。
彼女はとても喜んで私を抱きしめましたが、その際点滴の針が腕に痛みを齎し、私は苛々と女性に言いました。離れてください、と。私が発したとは思えないほど、甲高く幼い声でした。
吐き気がしました。
女性はぎょっとしたように体を離してから、震える声で私の名を呼びました。ですが私には、やはり女性の顔に見覚えがありません。決して感激のまま抱きしめられるような親密さはない筈なのです。
私は彼女に問いました。失礼ですが、どちら様でしょうか、と。反射的に愛想笑いも浮かべていたと思います。
途端、女性は金切り声を上げて、私の肩を大きく揺さぶりました。何を馬鹿な事を言っているの、と怒りも露な様子です。私の中の彼女に対する不快感が、見る見る増して行きました。
私は極力冷静な声で、再度彼女に腕を離してくれるように頼みました。彼女は何かを言おうと口を開閉させていましたが、暫くして力なく椅子に腰を戻しました。その口からは、今度こそ嗚咽などと言った可愛らしいものではなく、慟哭といった表現がぴったりな程の大きな泣き声が発せられました。
私はそんな彼女に酷く不快な思いをしながら、枕元にあったナースコールらしきボタンを、少々躊躇いながら押しました。どこからか誰かの声が聞こえましたが、女性の慟哭の所為で何を言っているのかはさっぱり聞き取れませんでした。
直後に看護師さんが来て、更にその後に来たお医者様が、泣く女性を宥めながら私に説明してくれました。彼はまだ若いお医者様でして、声は優しげと言えば聞こえは良いですが、私の耳に障る猫なで声で、これまた密かに不快感を覚えたものです。
彼は言いました。私は交通事故に遭い、頭を打って暫く意識を失っていたのだと。それも、この病院に運び込まれてからたった数十分で一度眼を覚ましたと言うのですから、何だか妙に伐が悪い気分でした。どうせなら数ヶ月間目を覚まさない方がよかったと、ちらりと思ってしまったのです。
私は彼に、頭部強打による記憶喪失だと診断されました。
私は全てを覚えていながら、お医者様にただ 「何もわからない」 と言い続けたのです。

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