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異世界との交流7<マルクトルーク ...20081217 * マルクトルーク

第七弾。真理君も介入します。白い空間が出ても麒麟様の出番はありません。

エドワードの身体は欠けていた。右手と左足の気配が感じられない。正真正銘の、不具。

偽物の傷で不具を騙るルークなので、多少思うところが無いと言ったら嘘になる。恐らく晴眼の者が普段ルークに向ける感情を、少し大きくしたような。申し訳なさと哀れみの入り混じった、向けられる側としては至極不本意で有難くない感情を覚えたのだ。

しかしそれを表に出す事無く左手を差し出し、無事エドワードとの友好な握手を果たしたその時だった。

目の周りを覆っていた閉塞感から解放され、突如視界がクリアになる。先程まで確かに存在したはずの人の気配は綺麗に消え失せて、握っていたエドワードの手さえ空気と化した。

目視しても誰も、…いや、壁や机すら、何一つとして存在しない。先程まで確かに様々なものがルークを取り巻いていたと言うのに、一瞬にして只管に真っ白な空間が彼を中心に広がっていたのである。


「…………。……え、何処だココ」


冷静を保ちながらも何処か呆然とした声が、ルーク以外何も存在せぬ白い空間に虚しく広がって消えた。どうやら声を反射する物すら無いらしいと、薄ら寒い空間にじんわりと汗ばみ始める。

ひっそりと深呼吸を繰り返しつつ目の辺りに触れてみれば、案の定愛用の布も人工物の傷も取り除かれていた。本当に、これは一体、何事だ (あ、俳句になった)。

まさか一生このままここに閉じ込められるなんて無いよな。て言うかここは異世界パート2か何かか。人間は存在するのか? 会話相手が霞か微生物しかいないとかだったら泣くぞ俺は。いや待て、また世界を渡っていたとしたら、俺がジェイドを置いて来た事になるのか。いやいやそれはヤバイ。合流した後嫌味だけじゃ絶対済まされない。合流できなかったら化けて出るかも! …などと色々な可能性と最悪の事態が頭を過ぎり、ルークは先程とは別種の冷たい汗を掻きながら、油断無く辺りを見渡した。

するといつからそこにあったのか、少し離れた所に見慣れた物体を発見する。


「……あれ、ローレライの鍵、か? …………って、鍵ぃいい!!?」


警戒しつつも慌ててそれに近寄り、一瞬の逡巡後覚悟を決めて鍵に触れる。一見鍵にも剣にも見えないそれは、嘗ての通りよく手に馴染んだ。それに心なしか安堵し、良く分からないながらも深い深いため息を零す。何かもうやってられねぇ。鍵の出現によって密かに色々と悟ってしまい、ルークは再度深いため息を吐いた。

それから今度は少し余裕を持って辺りを見渡し、ぐっと某灰の如く眉根に皺を作る。いっそ何処までもなり切って侮蔑も露に 「屑が!」 と叫び、これ見よがしに盛大な舌打ちまでかましたい気分だった。実行したらしたで人間としての品位を失った挙句、更に気分が陥没しそうなのであっさり諦めたが。


「ここは、地殻……じゃ、ないよな。どこだ?」


頭痛を覚えながらの、僅かに返答を期待した問い (鍵があるなら本体も何処かに隠れているだろう)。口元が引き攣るのは抑え切れなかったものの、極力優しい猫撫で声を心がけて、返答し易くする等の配慮を出来た自分を褒めたい。

しかしそれまで意識を向けていなかった場所にまた何かが突如出現したのに気付き、ルークははっとして剣を構えた。そして “それ” を目にした途端、目をかっ開いて体の全機能を停止させたのである。


『……』
「……」


言葉も無く見つめ合い、数秒が通過する。

暫くして先に声を発したのは、突如現れた “それ” の方だった。


『…………よぉ、いか、』
「ぎ!」
『………ぎ?』


いか! イカ!? “それ” が 「いか」 の後に何を続けようとしたのか、残念ながら最後まで聞く余裕がルークには無かった。気付けば彼は恥も外聞も切り捨てて、あらん限りの声で絶叫していたのである。


「ぎゃぁぁああああああああ!!!?」
『!!?』
「今度はのっぺらぼぉおおおおお!? 有り得ねぇえええええ!!」


そう、そこに居たのは紛うかたなきのっぺらぼう (分類:妖怪)。そう理解するや否や、ルークは真っ青な顔を激しく左右に振り、土下座すらしそうな勢いでのっぺらぼうの存在を拒絶し始めた。のっぺらぼうにしては服も着ていないし全体的に白過ぎる気もするが、目も鼻もないので (よく見ると口は辛うじてあった。かなり薄っすらと!) 結局のっぺらぼうである。妖怪である。係わり合いになりたくない。


「いーよいらぬぇーよ妖怪は一匹で十分! もうお腹一杯! カーティス家には妖怪が二匹も三匹も入る余裕はありません! ノーサンキュー! グッバイフォーエヴァー!」


土下座の代わりに形振り構わず頭を抱えようとするも、握っていた鍵が邪魔になったのでぞんざいに放り捨て、ついでに蹴り飛ばし (ローレライの鍵の貴重性? そんなの知るか!)、改めて頭を抱えて蹲る。果ては掻き毟る。脳裏に浮かぶのは、勿論目に眩しい青い自称聖獣他称妖怪だった。超重低音の 「ですのー」「ですのー」「ですのー」 がエコーと無限ループのコンボとなって、無遠慮にルークの精神を侵食する (軽くトラウマ)。


対するのっぺらぼう (薄っすらと口付き) は、何かを指そうとしていたのか、不自然に人差し指を立てたまま固まっていた。奇妙なオブジェが目の前に出来上がったが、ルークは全然嬉しくないし視界に入れたくも無いので、涙目で蹲ったままだった。南無。

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