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※TOASSについて※
・連作の場合まずブログに仮UPし、ある程度話数が溜まってから1ページに纏め、Novelに本UPします。
(♪) が付いているSSは、まだNovelからリンクが繋がっていない (=本UPされていない) 作品です。
・単品はブログを経由せず、そのままNovelに掲載致しますのでご注意下さい。

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戦士5<マルクトルーク ...20071207 * マルクトルーク

(♪) うわぁ久々だ戦士。半年以上振り (すみませ…っ)。5で終わる筈でしたが、6まで続きます。
※前話リンク→戦士4 (それより前の話は、Novelの 「戦士a」 に収納されてます)

ローズ宅内の小さな部屋で、ルークは捕まえた男 (やはりキムラスカの正規軍兵士だった) と二人で向き合っていた。

男の手は縄で縛られ、ルークの手には抜き身の剣が握られている。


「奪った作物は全部キムラスカに持ち帰って販売、か。キムラスカは儲かるしマルクトは大損害だしそれを機に戦争にでもなれば万々歳、って所かな。しかし誰だこの頭悪そうな計画を立てた馬鹿は。エンゲーブ中の作物を売りさばいたら流石に財務省が気付くだろうし、国王陛下だって黙っちゃいないだろうに。んー、て事はお前らに命令したのはそれなりに地位がある財務官か。名前は?」
「…………」
「おいおい、今更口をつぐんでも遅いと思うぞ?」


ペチペチと剣の腹で頬を叩くと、何を勘違いしたのか恐怖で震え出した男 (小心者め。確かに好都合だったが、同じ兵士として若干の苛立ちを禁じ得ない) は息を呑み、次いでボソボソとキムラスカの財務省の人間の名を口にした。

出て来た名は言われてみればあぁアイツか、と納得出来るような貴族の男のもの。地位としては確か財務次官だった気がする。

しかしこれで完全にやりやすくなったなあ、とルークは内心で呟いた。いっそ呆気ない程情報を簡単に引き出せてしまったので、最早泳がせても意味が無い。これならマクガヴァン将軍の言葉に甘えて独断で行動してしまっても、大した問題はないかも知れなかった (その後の政治関係の処理は兎も角)。

未だビクビクと震えている男に対しては何とも複雑な感情を抱くが、とりあえず先に片付けてしまうか。


「んじゃ、いい夢見ろよ!」
「!?」


どさり、と男が倒れる音がした。その原因となった剣 (の柄) をひらひらと振りながら、既に意識を飛ばしている男へ向けて 「悪いな」 と呟く。

申し訳ないが、エンゲーブを襲った…言うなればマルクトに敵意を向けたと言う事実がある限り、一マルクト軍人として男を見逃す訳には行かないのだ。

最初に 「逃がしてやる」 と約束したのものの、それは話を聞き出す為の手段でしかなかった。はっきり言えば軽い拷問の常套手段、口から出任せ詐欺ペテン。

まず自分が “最後” に残された者だと言う意識を植え付け、助けが来ない八方塞りな状態であると錯覚させる。そんな中情報を渡しさえすれば “自分だけ” 逃がしてやると言われれば、意志の弱い者なら簡単にすがり付いて来ると言うもの。

ましてや圧倒的実力差を見せ付けられた挙句、仲間が目の前で次々に倒れていった後なのだ。逆らったら自分も只では済まないと言う恐怖心が、口を割らせる事をより容易にさせていた。


だらしなく伸びている男の襟首を掴みずりずりと引っ張って、部屋の外へ出るドアを開く。その途端向けられるのは、向こう側に集められていた農夫達 (外にはまだ敵がうじゃうじゃいるので、家から出ないように言って置いた) の強い視線。


「ルーク坊や!」
「お前さん、そいつは…」
「一体これはどういうことだ!?」


彼らは困惑も露に、次々とルークに詰め寄って来た。ただ詰め寄ると言ってもそれほど近くまで寄らないのは、現在進行形でルークが引き摺っている下手人を警戒してか、それともルーク自体を恐れているからか。

自嘲のような笑みが浮かびそうになるのを寸前で噛み殺し、とりあえず引き摺っていた男を農夫に引き渡して (目を覚ましても暴れないよう、柱に括りつけて貰う為だ。既に他の男達も同様に処理されている) ルークはあえて真剣な表情を作った。農夫達はその雰囲気に尻込んでか、ぐっと言葉を飲み込んでいる。


「落ち着いて下さい。まずイサの親父さんは何処…」
「ここだ」


言いかけた言葉を遮るように、農夫にしては筋骨逞しい男が前に出た。

ローズさんをエンゲーブの女性代表とするなら、イサの父親は男性代表といっても過言ではない人物だ。それに相応しい貫禄もある。余談だが、若い頃は傭兵団を率いていた事もあったらしい。


「イサが、どうかしたのか…?」


言いながら彼は何処か不安そうに眉根を寄せ、ルークの肩を掴んだ。痛いほどの力に、彼の焦りを感じ取る。


「大丈夫です。セントビナーで無事保護されてます」


言い淀む必要も無いのできっぱりと告げると、彼は目に見えて安堵したようだった。それに触発されてか、他の村人達も僅かに緊張を解いている。


「…ミュウから大まかな話は聞いている。俺達は何をすれば良い」


イサの父親は何とも微妙そうな顔で妖怪バージョンのミュウを見てから (ミュウが皆に改めて自己紹介した所を見たかった。きっと皆面白い反応をしてくれたに違いない)、強い目でルークを見た。他の農夫たちもはっとして、此方を凝視している。


「大まかな話…。具体的には?」
「賊の人数と、女達の状況。……それとお前、軍人だったんだって?」


今度は些か憮然と言い、農業に慣れた手がルークの髪を掻き回す。目隠しが取れそうになって慌ててそれから逃げ、少し俯くようにしてからあえて言う。


「黙っててごめんなさい。……お、怒ってる?」


意図的に子供子供しく。軍人と言う面よりも、普段農夫たちが見ていたものこそが “本物のルーク” であると認識させて。

自分達の見慣れているものに触れて漸く安堵したのだろう、農夫達の強張りも一気に消え失せ、口々に 「怒ってはいないが水臭いぞお前」 と言って快活に笑った。

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