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日常3<マルクトルーク ...20071202 * マルクトルーク

日常夜編。ルーク・カーティスの一日はジェイドから始まりジェイドで終わる。 これにて完結ですー。

ルーク・カーティスの夜は若干親父臭い。

「うかーー、んまっ!」
「はっはっは、もっと食えもっと食え! オヤジ、ビールと焼き鳥追加」
「俺つくね食べたい」
「んじゃぁつくねとかわとねぎま、一本ずつ。それと…おっ、ルーク、ジャガイモが蒸し上がった見たいだぞ」
「おっちゃん、じゃがバタ追加ー!」
「へい毎度ー!」

絶え間なく白く香ばしい煙が立ち込めるそこは、グランコクマ宮殿からはやや遠いが知る人ぞ知る焼き鳥屋。
注文してから数分後、女性の威勢の良い声と共に現れたほくほくのジャガイモに目を輝かせるのは、少々怪しい装いの邪視使い(イビライヤー)ルーク。但し目を輝かせていると言ってもそこは布によって隠されているので、雰囲気と口元から判断しただけの推測である。
だがジャガイモを持って来た女性やカウンターの向こうに居る男、そしてジョッキを傾けている皇帝もその推測を微塵も疑ってはいない。子供のようにはしゃいでいるルークに、何やら微笑ましい気分になる大人達であった。

「陛下、俺にもビール一口下さい」
「おいおい、軍人が法令違反か? お酒は二十歳になってから、だぞ?」
「精神的には多分余裕で二十歳越えてます。何処ぞのおっさん達に鍛えられたんで」
「やだねー、これだからおっさんばかりの軍は! ルーク、どうか奴らに影響なんかされず真っ直ぐ育ってくれ!」
「そう思うなら陛下、色々と自重して下さい。俺の性格が捻じ曲がった原因は、軍の人たちじゃなくて七割ジェイド二割五分陛下です」
「ほーう。残り五分は?」
「やっぱ軍部ですかねー。この間馬鹿将軍にセクハラされ掛けました」
「ほーーう。誰だその馬鹿は」
「ここ最近急にやつれた上、始終何かに怯えている将軍を探してみて下さい。その人ですから」

焼き鳥を焼きながらこっそり彼らの話を聞いていた、焼き鳥屋の親父は思う。将軍相手に何をしたんだルーク大尉。そんなだから父親とセットで世間から恐怖の代名詞とか悪魔降臨とか言われるんだぞ、と。
しかしこうしてただ見る分には、やはり見た目は兎も角仕種は何処にでもいるような普通の少年にしか見えない。
座ったまま懸命に腕を伸ばしてビールを追いかける姿など、まるでねこじゃらしを追いかける猫のようだ。非常に和む。お花が飛んでそうだ。給仕の女もどこかうっとりとしている。
皇帝も皇帝で、クツクツ笑ながら少年の手からビールを守っていた。時折 「ほらほらどうした」「こっちだぞ」「ああ手が届かんのか短いからなぁ」 などとからかい、ねこじゃらしもといジョッキを上下左右に動かしている。
これが有事になると一変して有能な軍人と威厳ある賢帝に変貌するのだから、世の中何か間違ってるよなぁ、と元軍人の焼き鳥屋の親父はしみじみ呟いた。ついでに彼の後任である、フリングス将軍の胃も心配してみたりして。
とか思っている間に、ルークがジョッキを捕まえたようだ。少し床に零れたのは後で皇帝に拭かせようと思いつつ、親父は観察を続行する。

「ああこら飲むな。俺のビールだ!」
「いいじゃないですかひとくちくらい。けちくさいこといわないでくださいよあんたこーてーでしょー?」
「……お、お前…」

ぷるぷると皇帝の肩が揺れている。何度目の光景かはもう覚えていないが、ルークはかなり酒に弱かった。
たった一口、いやジョッキ半分くらい一気飲みしてしまったのか、早くも呂律が怪しくなったルークに皇帝は笑うのを必死に我慢しているようだ。
親父はそんな彼らを呆れ顔で見て、そっとルークへ水の入ったコップを差し出す。その内周りにいる大人たちにこっちの方も鍛えられてしまうんだろうなぁ、などと少し寂しく思いながら。
まあ未来の事は兎も角、この後もしルークに暴れたら皇帝に責任を取らせよう、と長年に渡る破天荒な皇子を守る仕事を耐えた抜いた男は、鍛えられた図太い神経で自然とそう考えてしまった。我に返って直ぐに考え直……そうとして止めたが。原因を作った奴に責任を取らせて何が悪い。

それから暫く肉を焼く事に集中していると、不意に店のドアが開かれた。そこから入って来るのは赤い目を持つ長身の男、皇帝の親友であり邪視使いの父親でもある、死霊使い(ネクロマンサー)ジェイド・カーティス大佐だった。

「あー…いらっしゃい」
「はいお邪魔しますしかし直ぐ出ます」

長身の男はにっこり笑ってそう言い、徐に皇帝と息子の後頭部を掴んでぐぐぐと圧迫し始めた。

「「いでででででででで!!!」」
「陛下、仕事はまだ残ってますよ。ルーク、お酒は外で飲むなとあれほど行ったでしょう」

アイアンクローを受けた彼らは必死に抵抗するも無駄に終わり、椅子から引き摺り下ろされた挙句そのままずりずりと入り口まで引き摺られて行った。
親父はそれを半ば諦めながら見送り、小さく 「お代…」 と呟く。ジェイドにはしっかり聞こえたらしい。流石魔王、結構な地獄耳をお持ちだ。

「つけて置いて下さい。後日息子を払いに寄越します」
「あいよ。程々にな」

痛みにか酔いにか、ルークは既に意識を飛ばしている。どちらにしろ明日は酷い頭痛に悩まされる事だろう。南無。



そんなルーク・カーティスの日常。

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