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※TOASSについて※
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冒険8<マルクトルーク ...20070707 * マルクトルーク

成就編前半。あ、アホい……!

さてさて今日ご紹介するのはこの、四次元ポケ…ではなく、独立ウパラ・グランコクマ社製 『ブウサギを苦労ぜす運ばせろ!』、無理やり略して 『道具袋』! ブウサギを袋に詰めて運ぶつもりなのかとかそう言った突っ込みは兎も角、御馴染み、旅のお供として欠かせない物ですね。

一種類につき20個以下しか入れる事はできませんが、改良に改良を重ねた結果、ななな何と種類が違いさえすれば何百というアイテムを持ち運ぶ事が可能になったのです! しかもですよ、奥さん。この長さからして明らかに道具袋には入り切らないはずの木刀も、ほらほらほら、まるで自然界の法則を尽く無視したように入っていく入っていく!

今日はいつもより多く入れております! 見てください、20本入れても尚この余裕! まるで何も入っていないかのようにペタンコのままです!

では次にエンゲーブ印のリンゴ5個とナイフ10本を一緒に入れて思いっきり振ってみましょう! やはりペタンコのままなので袋をヒラヒラさせるしかありませんが、確実にシェイクしています! さあもう十分ですね、取り出してみますよー! ここまで振れば普通はリンゴはズタズタ、ナイフは柄まで汁塗れになっているはず。で、す、がっ! ほら見てください、リンゴは傷一つないま(強制終了)。



+++++



―――漸く、バチカルに到着した。到着したのだ。しかしココまで来るのにどれ位掛かったのだろうか (あぁ、大丈夫かマルクト政府。干乾びてないか、皇帝の仕事を肩代わりしていた哀れな老人達よ)。まるでシリーズ物の推理小説に出てくる、事件体質の主人公の如き活躍をしてしまった経験も、最早数え切れない程だ。

故にもう厄介ごとはゴメンだとばかりに足早に闘技場へ直行していた一行だったが、不意にその中の一人があぁ、と何やら思い出した風で足を止めた。


「…サンスクリットさん?」
「忘れてたけどな、ほれ。コスチュームチェンジするぞ」


彼が手を突っ込んだのは、例の独立ウパラ・グランコクマ社製 『ブウサギを苦労ぜす運ばせろ!』、無理やり略して 『道具袋』。ずぞぞぞぞと不気味な音を出して引っ張り出すのは、やはり自然界の法則を尽く無視したような質量の布。キラキラと原色が目に痛い、ルークとジェイドにとっては微妙にお馴染みの衣装であった。


「……そ、それは…!」


ルークが思わず一歩後退る。ジェイドは切る (着る、では無い) 気が満々らしく、どこからか鋏を取り出してじょっきじょっきと音高々に鳴らし、アスランはそんな二人を不思議そうに見遣ったかと思うと衣装を手に取り、


「…何ですか、これ」


思わず固まった。それは妙に伸縮性が良く、人が脱皮をしたような形を取っていて。多分、恐らく、何故か、巷で噂の (?) 全身タイツとか言う代物であった。色としては赤と青と金と銀。対照的な色合いだが、これをどうしろと?


「無論、これを来て参加するに決まっているだろう」


次の瞬間、アスランの拳が某皇帝の顎にヒットしていた。綺麗な弧を描きながら宙を舞う、某皇帝。見事に受身を取った殴られた方は当然として、殴った本人まで呆然としているところを見ると、どうやら無意識の攻撃だったらしい。これぞ正に生理的嫌悪と言う言葉の体現である。


「あ、アスランお前、仮にも上司にアッパーって、おま、お前そんなキャラだったか!?」


乙女座りで顎を押さえ、ふるふる震える仮面 (あぁ、殴られた拍子に仮面が取れなくて良かった) の被害者 (割とがっしりした体躯の男)。見苦しい、実に見苦しい。ルークとジェイドはさっと視線を逸らし、自国の頂点たる人物の情け無い姿を記憶の奥底に閉じ込めた (そしていつか解放し、虐めの材料として使う)。

対する加害者は、しばらく自分の拳をじっと見た後、乙女座りを続行する上司を一瞥し、ふっと笑う。自嘲やら嘲笑やら苦笑やら呆れやら、色々と混ざった複雑な笑みであった。


「まぁ確かに今までは穏やかで純粋で心優しい青年将校でしたが、そろそろ卒業しようと思います」
「アスランさん、自分で言ってて虚しくなんねぇ?」
「慣れました」
「慣れちゃったんだ……」


ルークとアスランの会話を聞きながら、傍観者ジェイドはちらりと思った。そう言えば “前回” の彼は、前述の通り 「穏やかで純粋で心優しい青年将校」 であったが、果たして中身もそうであったのだろうか。地位は今と変わらないもののそれほど親しくもなかったので、断言が出来ない。

とりあえず内面は兎も角表面だけの他者に対する対応を改めて比べて見ると、…あぁ、確実に何かが違う。からかわれると頬を染めて言葉に詰まっていた彼は、今や純粋そうな笑みを浮かべつつさらりと流してしまうのが常。あくまでも表面だけの話ではあるが、 「穏やかで純粋で心優しい青年将校」 の種類が若干違うではなかろうか。


「ルークの影響ですかねぇ……」
「そうかもしれないけど、確実に俺だけの所為じゃないと思う」


いつの間に移動したのか、隣でそう答えを返した仮面その2。にやりと能天気に笑んでいるその顔の下から、何やら哀愁が漂って来ている。ジェイドは無言で息子の肩に手を置いてから、我に返ったのか見るに耐えられなくなったのか、アスランに促されて立ち上がる (流石なのだろうか。見事に入っていたと思ったが、ふらつきもしない) 仮面その1を見て口を開く。


「それで、サンスクリット殿。言い残す事は?」
「お前らが普段着ている軍服以上に動き易いぞ! 何せ全身タイツだ!!」


今度はジェイドが握り続けていた鋭利な鋏が、空気を切り裂いて飛翔した。

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