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※TOASSについて※
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異世界との交流3<マルクトルーク ...20070616 * マルクトルーク

第三弾。ルークの傍に居る大人は、皆してゴーイングマイウェーな奴らです。

「なぁ、そろそろこっちを向いてくれないか?」


頭を撫でていた手を離しながら、軍人らしき男は静かにそう言った。実は咄嗟に顔を見られないよう背を向けてしまったものの、既に “傷” は装着済みであるしどうせ最終的には見せる事になるだろうから、全く問題はなかったりする。しかしポーズだけは悩んでいるように見せかけ、ルークは小さく唸った。


「先に聞いて置く。割と惨い傷を見る事に耐性はあるか?」
「そりゃあ、軍人だからな」


治癒術のお陰で、軍人でも重度の物となると見慣れていない者は多いのだが。男にとってはその言葉だけでも理由としては十分であるらしく、ルークは認識の齟齬に先ほどとは違う意味で唸ってしまった。

“傷” を装着する為に水場を求めて (何せ水で皮膚に接着する仕組みだから) 彷徨っている間に見た (都合が良いのか悪いのか、本日はジェイド仕様では無く普通の布を使用していたので、正確には感じた) この周辺の様子も考慮すると、もしかして、否もしかしなくても物凄くヤバイ所に出てしまったかもしれないと思う。今更ながら冷や汗もダラダラだ。


「……まぁ、いいや」


やってしまった物は仕方が無い。それ現実逃避だろお前と突っ込まれてしまえば笑って誤魔化すしか出来無いが、ルークはいっそ潔いほど都合の悪い事は忘れ去る事にして、態と恐る恐ると言った仕種で (俺も演技派になったもんだよ…) 身体を反転させた。

途端、男が驚きに息を呑んだ気配を感じる。だが予想よりも随分とその程度は小さく、いつかのように化け物と叫びそうな気配も見せない。本当に重度の傷にも慣れているのか、それとも本人の胆力が素晴らしかったのか。両方だろうな、と検討を付けながら、ルークは男が握っていた朱色の布を無言で取り戻した。

そして素早くいつも通りそれを頭の上部に巻き付け、僅かに悲しげに微笑む。8割方演技、2割は本当。すると男は決まり悪げに再度ルークの頭に手を延ばし、小さく 「悪い」 と呟いたのだ。だが彼はあえて何も聞かなかった事にして、今は使えぬ目を男に向ける。


「俺はルーク、ルーク・カーティスと言う。所属はマルクト帝国軍第三師団。地位は大尉、一応師団長補佐。通称邪視使い(イビライヤー)ルーク。…あんた軍人だよな。どれでも良い、今の単語に聞き覚えは?」



+++++



「無いな。死霊使い(ネクロマンサー)? ファンタジーと言うか何と言うか……」
「ふむ、なるほど」


車と言うらしい創生暦時代の遺物に似た乗り物に乗せられ、窓の外では現在進行形で見たことも無い様な譜業と街並みが流れ続けている。譜業は兎も角、オールランドにある街と言う街には尽く訪れたとばかり思っていたが、只の驕りだったか。

しかしエドワードと言う少年の肩に埋め込まれていた金属は、元はといえば何と指まで自在に動かせる高機能な義肢の役目を負っていたらしい。そのような技術は、まだオールランドでは手も付けられていなかったはず。

そして彼らの持つ銃の全ては、実弾を伴う珍しいタイプと見た。ついでに隣に座るロイと言う青年は国家錬金術師なるもので、国軍大佐でもあると言う。やはり彼らは軍人であったが、いったい何処の国に認められた組織だと言うのか。アメストリス? 聞いた事も無い。今持っている限りの情報は見事に推量・伝聞ばかりだし、全く笑えなかった。


「さて、私もアメストリスなどと言う国名は初めて聞きますが…」
「そこまで遠い異国の人間が、何故あそこに現れたんだ。しかもそれこそファンタジーとしか言いようの無い登場の仕方だったな。あれは?」


果たしてここを異国、と言っていい物か。スカーとやらに放った譜術を説明してみたものの、ロイは音素の存在すら知らなかったのだ (面倒な事にその説明まで求められたが、今後の事を考えて懇切丁寧に教えてやった)。譜術やコンタミネーション現象が有効だったので、音素自体が存在しない訳ではないだろう。だがそれは単にジェイドの体内に含まれていた音素を消費しての物だった、とも考えられる。

生憎と幾ら上級譜術だろうが、アブソリュートを放った程度で体内音素が減るような身体をしていない。だが自分は本当に、空気中の音素を取り込んだ上で音譜帯から音素を呼び寄せたのか。普段からは考えられない程その感覚は曖昧で、発動はするものの何処か勝手が違う事だけは確かだった。


となると、心配なのはルークだ。彼の身体は純粋な第七音素だけで構成されている。もし空気中から一切音素を取り込む事が出来ないなら、彼が有事の時に大量の体内音素を消費してしまった時、自己回復が間に合わず乖離してしまう可能性も高いのだ。

全く、珍しく超振動を使っての瞬間移動を失敗したと思ったら、こんなにも厄介なところに出てしまうなんて。冗談じゃない。後でお仕置き決定。

それと戻ったら陛下とフリングス将軍に告げ口して、チクチクネチネチ絞って頂こう。無論ジェイドも参戦するつもりだが、親の利点か欠点か、どうも自分の嫌味や説教には慣れられてしまっているようなのだ。

やはりここは一度腹黒い第三者にも出向いて頂き、徹底的にやってしまおうではないか (ほぼ同時刻、息子も同じ考えに至っていた事をジェイドは知らない。所詮彼らも似た者親子。と言うより長年の同居生活で互いに影響しあった所為か、似てしまった親子である)。


まあそれは兎も角、とりあえずこのロイとやらと交流を深め、後々動き易いようにして置かねば。相手も相当の手足れらしく本心を見せる事はないが、基本は学者肌。新しい知識を実践を踏まえて与えてやれば、多少なりとも態度が軟化して来るだろう。


「私たちはあれを、超振動と呼びます。その名の通り過多の振動を与える事によって物質を原子レベルにまで分解し、再構成する。攻撃に転用し破壊する事は出来ても、形や性質を変化させたり修復する事は出来ない力です。今回は移動の手段として使ったのですが、見事に失敗してこの地に来てしまったようですね」
「ふむ。真偽の方はとりあえず保留するとして、…超振動、か。原理は錬金術と僅かに似ているな」
「ついでです。錬金術の概念も教えて頂けますか?」


何だかんだ言って、ジェイドも結局は学者肌、と言うか実際それの更に上を行く博士である。新しい知識を得る事を楽しいと思うし、積極的に知りたいと思わなくも無い。


「あぁ。錬金術の練成過程は、大きく分けて3つ。物質の性質を “理解” し、“分解” し、等価交換…質量保存の法則やら自然摂理の法則の制約に縛られながら “再構築” する。物によっては修復も可能、性質は兎も角形は割と自由に変えられるな」
「便利なようですが、七面倒臭い事ですねぇ。しかしスカーとやらが行ったあれも、錬金術ですか? 超振動の転用と同じく、再構築をせずに止めていたようですが」
「あぁ、なるほど!」


今気付いたか、本業の錬金術師とやら。…この青年、案外抜けているところがあるらしい。まるでまだ詰めが甘い頃のルークのようだと、当時の愛すべく馬鹿だった彼の姿を思い出しながらさりげなく酷評 (むしろ好評とも言えるかも知れない) を下すジェイドであった。



+++++



「よし、じゃぁお茶するか!」
「は?」


一方ルークは、何故か行き成りそんな事を言い出したヒューズと名乗る男に、何やら乾いた笑いを禁じ得なかった。此方の返事も聞かずずるずると何処かへ引っ張っていく、大人の余裕とゴーイングマイウェーさが見え隠れする男。あぁもう、本当にこの手の知人 (主にピオニー陛下とかブヒブヒさんとかサンスクリットさんとか! あぁしまった全部同じ人だ!) に恵まれてるよな俺、とこっそり涙せずにはいられなかった。

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