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※TOASSについて※
・連作の場合まずブログに仮UPし、ある程度話数が溜まってから1ページに纏め、Novelに本UPします。
(♪) が付いているSSは、まだNovelからリンクが繋がっていない (=本UPされていない) 作品です。
・単品はブログを経由せず、そのままNovelに掲載致しますのでご注意下さい。

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始まりは偽アッシュの満面の笑顔4<学園パラレル ...20070117 * 他TOASS

アッシュは怒っていた。

弟が自分と同じ顔を利用して物真似(いやあれはもう既に真似とは言わない)をしている事に・・・ではない。

実の弟に助けを求めながら(なんだ意外と頼っているのか)逃げ回る、目に優しいグリーンツインズの兄の方を、鬼ごっこと勘違いしているのか嬉々として追いかけているルーク(我弟ながら微笑ましい)。アッシュが怒っているのは、結果として心臓の弱い彼を走らせているシンクに対してだった。

シンク本人はかなり必死になって本気で恐怖し逃げ惑っているのだが、弟至上主義なブラコンアッシュにそんな事は関係ない。ルークの存在を知っているくせに未だ彼をアッシュと思い込み、混乱し続けている方が悪いのだ。


「屑が!!」


一目であの可愛い弟、ルークだとわからないとは嘆かわしい。そんな気持ちを隠そうともせず叫ぶと、何故かルークが瞬時に叫び返して来た。


「ならてめーは塵だ!!」


ルークに言ったのでは無いのにそう取られてしまったらしい(状況からしてそれが常識。普通逃げ回るシンクを罵るとは思わない)。柳眉を逆立てて吠える彼にアッシュは一瞬たじろぎながらも、「違ぇ!!」とまた叫び返した。否、叫び返そうとした、が。ちげ、とまで発音したところで強烈な衝撃を顎下に加えられ、全てを言う事ができなかったのだ。

しかも舌を思いっきり噛んでしまい、かなり痛い。抉るように打たれた拳(衝撃の正体)の持ち主がふふふふふと(表面上だけ)穏やかに笑っているところを見ると、どうやらタイミングを計られていたらしく。

エ音の発音中に強制閉口されるとこのような結果になるのは目に見えていただろうに、と態々文句を言ってやるよりも(そもそもわかってやっているのだし)、菩薩と言う化けの皮がどんどん剥がれて行ってるぞ、目に優しいグリーンツインズの弟の方(あえて名前は伏せておく)、と山に向かって大々的に叫びたくなってくる(きっとやまびこが賛同してくれるに違いない)。

だが結局何も言えずに口元を押さえて悶絶しているアッシュに、罵られた(誤解だが)ルークも毒気を抜かれたのか。はぁ、とため息を吐いて小さく「イオン凄ぇ」とだけ呟いていた。お願いだから弟よ、絶対に見習ったりしてこんな風にはならないでくれ。アッシュは切実にそう思ったが、それも口には出さない。何せ情け無い上に隣でふふふと穏やかそうに笑っている、菩薩の皮を被り直した修羅から妙な威圧感を感じていたからだ。


「ルーク、お久しぶりですね。僕を覚えてくれてましたか」
「勿論! 俺の始めて出来た友達だからな。忘れやしないさ」


そしてそのまま兄’sに「大丈夫か」の一言も掛けもせず、弟’sは駆け寄って穏やかに話し始めた。悶絶するアッシュは勿論、つい先ほどまで散々追い掛け回された挙句急に蚊帳の外に出され呆然としているシンク、始めから傍観者だが甚大な被害を被られ、状況に付いていけてないクラスメート達は、傍から見たら痴呆症の老人達と何も変わらないだろう。そんな中で普通に話しているルークとイオンはきっと、否絶対に神経が図太いを通り越して消滅しているに違いない。

しかし不意に、クラスメートの誰かが呟いた。その声はルークとイオンの声以外一切の音が消えた教室ではよく響いて、不思議なほど効果的に他のクラスメート達の耳へと吸収されていったのだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・アッシュが」
「ん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・アッシュが・・・・・・・、・・・・・・・・・・・アッシュが、分裂した・・・・・・!?」


そこか。問題はそこなのか。というより分裂とは何だ分裂とは。卵の段階では確かに分裂もしたらしいが、こいつらが言っているのはその段階の事ではない。俺はゾウリムシかアメーバか。単細胞生物とでも言いたいのか。

「ぶんれつ!?」「分裂!」「そうか分裂か!!」と同じ言葉によって俄かに騒がしくなったクラスメート達(しかも何やら納得している)に、アッシュのむき出しになった額でいっそ見事なほどぶっとい血管が浮き上がった。危険を察知したルークとイオンは会話を中断してアッシュに注目し、彼が大きく息を吸ったのを見て素早く耳を塞ぐと言う判断を下したのだった。


「じゃかぁしいわ!! そこにいるのは俺の大事な片割れ、ふ・た・ご・の、弟だ!! 名前はルーク・フォン・ファブレ!! 今日からこのクラスの一員になる。仲良くしてやってくれ!!」


キレてもアッシュは何処までもお兄ちゃんだった。普通はSHRなどで担任の教師が言う言葉を、見事なまでに略奪しそれを疑問にも思っていない。このタイミングで言う可笑しさにも気付いていない。無意識に“双子”の部分を強調し、“喧しい”がヤクザ的に変換されている(本当にこいつは生徒の見本たる生徒会長か)が、やはり本人に自覚と言うものはまるでない。ここまで来るといっそ見事である。


「・・・・・・・・俺、微妙にこのクラスでやっていく自信ないかも。むしろアッシュと同じクラスってのがありえぬぇー」
「ならいっそ僕のクラスに来ますか? 隣ですし、ブラコン全開のアッシュや未だルークがルークだって事に気付いていないシンクといるよりいいと思いますよ」


まーそーかもなーと棒読みで返しつつ、少しだけ寂しそうにシンクを見たルーク。叫んで幾分か落ち着いた(興奮した闘牛のように鼻息が荒いが)アッシュも促されるようにグリーンツインズの兄の方を見ると、彼は何だか燃え尽きたように力なく座り込んでいた。

この様子からして被害者がどちらかは明白だったが、そこは弟至上主義なブラコンアッシュ。友人だと思っていた人物に気づいて貰えなかったルークの方が可哀想、ルークを悲しませた奴は万死に値する・・・と言う思考の持ち主である。殴って正気に戻してルークをルークと認識させてやろうとシンクに一歩近づくと、不意にイオンが口を開いた。


「あぁそう言えば。ルークと出会った日の夜、シンクは高熱で寝込んでしまい、その日の記憶を失ってしまったんです。その後6年9ヶ月と12日会っていなかった訳ですから、ルークをわからなくて当然かもしれませんね」


すみません、シンクの変わりに謝らせてください。そう申し訳なさそうに言った(本心からなのかそうでないのか今一判断できない)イオンだったが、それを早く言ってやれよとその場にいた誰もが思った。頭に血が上って闘牛と化したはずのアッシュですら思った(そうすればルークが悲しまずに済んだから)。

だがそんな理由があっては、シンクを殴って正気付かすのも何だか気が引ける。さてどう対処しようか、とちらりとルークを見ると、彼はしばらく予想外の理由に目を見開いていたが、次いでほんわりと笑って言ったのだ。


「そっか。・・・・・・でも今度は忘れられないよな★」


安心したような、けれど楽しそうな笑顔。我弟ながら可愛いぜ、とふっと笑ったアッシュだったが、傍から見ていたギンジは違う感想を抱いていた。もしかして、もしかしなくてもこのルークとやらも実は“黒い(しかも無自覚)”のかも。ギンジの背中を冷や汗のような物が流れては、制服に吸い込まれていった。




実は過去グリーンツインズとルークが顔を合わせたことがあるのは、たったの一度だけ。まぁその辺はまたいつか書く予定です。

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